面接者と協力者が直接対面して話し合い、その発話内容をデータとする研究手法。
利点
観察や質問紙調査では捉えにくい、個人の内面やその変化のプロセス、出来事との関連などを捉えるのに適している。一度に多くの人に実施することは難しいが、協力者の対応に応じて発話内容を確認したり、質問を追加できるなどの柔軟性がある。
また非言語情報も同時に得られるため、協力者の考えや感情を多面的かつ深くとらえることができる。
面接手法
その構造化の程度によって、構造化面接、非構造化面接、半構造化面接に分けられる。
構造化面接(structured interview)
質問項目やその順番、教示、回答の選択肢等があらかじめ決められている。複数の面接者が同じ手続きで実施する。多くのデータを集めることができるので、仮説検証型の研究に適している。
非構造化面接(unstructured interview)
質問項目や順番などを明確に決めず、協力者の反応に応じて面接者が柔軟に対応していく。対象となる研究テーマに先行研究が少なく、探索的な仮説生成型の研究に向いている。
半構造化面接(semi-structured interview)
あらかじめ仮説や予測を設定し、それに即した質問項目を準備するが、会話の流れによって質問の順番を変更したり、質問を追加したりするなど、進行にある程度の幅を持たせておく。心理学の研究ではよく用いられる。
注意点
観察の場合と同様、データの解釈が恣意的にならないよう、分析の手続きを明確にして複数人でデータ分析を行ったり、分析途中で協力者や研究仲間にチェックを受けるなどの手順を踏む。
また、実験や観察と同様、面接者の言動は協力者に影響を与えるため、面接者は話しやすい雰囲気や信頼関係(ラポール)の形成に努め、特定の回答を誘導したりすることのないよう、自覚的にふるまう必要がある。